実質的に名義書換料や入会預託金を値下げしているゴルフ場が多くなっている
一番の理由は、此れらの入会間接費用が会員権本体の価格や現在の世間の景気の流れと比較してもいかにも割高である為です。
極端な例かも知れないが、ゴルファーなら誰でも名前を知られている千葉県の或るゴルフ場では、
会員権の本体価格が5万円で名義書換料が105万円、年会費が52,500円、会員権業者への売買手数料が5万円で
そのコースのメンバーになる為の初期費用として合計で115万2,500円が必要になりますが、
入会後何かの理由で此れを売らなければならなくなった場合、手取りゼロ以下になりかねないし、
年会費は此れからメンバーである限り継続して払う事が必要になって資産としての価値は無いに等しい。
勿論、メンバーになってそれに見合うサービスを受けていると入会したメンバーが納得出来れば言う事はないが、
名門コース並みの経済的な負担を強いておきながら、
一方ではネット集客に力を入れて格安でのプレー料金を設定し完全に売り上げ、営業優先では
メンバーのクラブに対しての満足度は高くはなりようがないはずです
ゴルフ場側にもそれなりにもっともなその理由は有るだろうが、
少なくともメンバーシップの運営を前面に経営している以上、先の例はやり過ぎと誰もが思うのではなかろうか。
メンバーの高齢化による稼働率の低下や、法的手続き<民生法>をしたゴルフ場との料金競争による
プレー料金のダンピング競争などで、昨年は全国で入場者が6%強ダウンしているなど
厳しい状況である事はマーケットに周知されているが、高齢化即ち新旧の交代がスムースに進まず、
会員権がうまく流通していない事も低迷の大きな理由です。
特に先の入会間接費用については、入会希望者が妥当と思える位の価格設定にする必要が有り、
新しいメンバーの活力に期待して集客活性化を図るべきでなかろうか
栃木県のアローエースが7月1日から名義書換を停止して、正会員を30万円、平日会員を15万円で
現会員に新預託金との差額を返還して、名義書換料も今迄84万円であったが105,000円に改定した。
経営主体は大和ハウス工業で経営のバックアップは磐石であるから出来た事であろう。
他にも、オンワードが経営するレイクランドも同じように現会員に預託金を返還して
新たに実勢の市場価格に見合う募集をやって、評判が良い
元 外資ファンド系2社の新興勢力は規模のメリットを上手に使って当面は営業的には成功かも知れないが、
長期的なスパンで考えればメンバーが期待しているサービスが出来ているか否かについては
部分的には検討する必要もあろう。
お商売はどんな世界、時代でもお客様に喜んで戴けるサービス、商品を提供してお代を戴く事が大事だと思います
ゴルフ場と云う「ハレ」の舞台にギスギスした権利や法律、過度な権利の主張を持ち込むことには違和感が有ります
メンバーがメンバーで有る事を誇りに感じられるゴルフ場がもっと増えて欲しいと思います。
マーケットには此の様なニーズは必ずあるはずで、料金だけでなくそんなサービスのレベルの高いゴルフ場が
これからの期待されるゴルフ場で、マーケットの本当の支持を受けるのではないでしょうか
by万治郎