あらゆる球技の中で、およそゴルフボールほど特別な運命を持つものはいない。
プレイを終えてゆっくりと浴槽に入り、時折ボールの身の上を案じることがある。
大抵の球技は1個のボールを選手全員が共有する。
野球、サッカー、テニス、バレーボール、バスケット、ラグビー。どれもが一つのボールをみんなで投げ、打ち、蹴り、奪い、追いかける。
だがゴルフは各自が自前のボールを持ち、他人がそれに触ることは基本的にない
自分だけが打ち、自分のためだけに飛んでくれる愛しい存在。
ここにゴルフボールの運命は集約される。
使用者の技量次第でそのボールの行く末は大きく分かれる。
上級者に使われたボールは幸せだ。こだまする快音を背に滑らかな放物線を描き300ヤードも先に飛んでいく。
周囲から「ナイスショット!(^^)」との賛辞を浴びる。
下手くそに使われたボールはそうはいかない。
いきなり横面を殴られ右に飛び出し樹齢数百年の大木に激突させられ、そうかと思えば真冬に池の中に放り込まれたり(>_<)
最悪は深い谷底に落とされ 短い生涯にピリオドを打たされる (・.・;)
なかにはロストボールや練習場などで第二の人生(?)を歩むものもあるが (-_-;)
なにしろ僕もそんなふうに今まで数え切れない数のボールを自らの手で葬ってきた
ボールは使用者を選べない。
僕に出会ったばかりに、不幸なそして短命な生涯を送らせてしまったことを思うと
申し訳ない気持ちでいっぱいになる <m(__)m>
ところが…
谷底へ落ちたボールを探しに行こうとするキャディさんに発する言葉は正反対。
「いいよ、いいよ、そんな縁起の悪いボールは探さなくても!」
ボールさんよ、ごめんね。本心じゃないよ!(@_@;)
Ikechan