「足を組むのはお行儀が悪い、生意気に見えるからいけません」と私は物心ついた頃から親や先生から教わりました。
日本人ならば誰もが持っている普通の感覚だと思います。
しかし欧米では商談や会議などのあらたまった席で、有名人が椅子に座って足を組む光景を良く見かけます。
アメリカのCNNなどのテレビ放送でも、司会者や出演者のみならずホワイトハウスで大統領が足を組んでリラックスしながら公式な会談に臨んでいる姿も散見されます。
このように欧米人の価値観では、「足を組むのはマナー違反」という概念は存在しないようです。
あえて足を組んでラフな姿を見せることで「相手に対して敵意を持っていない」「相手に心を開いている」というアピールをしているのだそうです。
アメリカは移民大国の銃社会なので「いつどこで敵に襲われるか分からない」という前提条件が根底にあります。
確かに、椅子に座って足を組んでいる時に襲われてもすぐに立ち上がることが出来ません。
反対に日本人のように足を組まないのは「ここは危険なのですぐに立ち上がるように準備しています」というボディランゲージになってしまうそうです。
足の組み方にも日本と欧米では違いがあり、欧米ではわざわざ隣の人につま先が向くように足を組みますが、日本人は相手のつま先が自分に向かうのは嫌なのでその逆です。
これは相手に心を開きフランクに接したい心の現れという解釈が出来るでしょう。
我々の日常業務では外国人と接することはあまりありませんが、こういった文化の違いを理解して知識の引き出しにしまっておく事も必要かも知れませんね。
Ikechan