以前に比べて流石に此れ程相場が下がると、名門と言われる一流コースでも名儀書換料(以下名変料)を値上げするコースは少なくなって、中堅、下位クラスも同様です。 |
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会員権本体価格より名変料や一部のコースに見られる入会預り金などの間接費用の方が高くなっているコースが多くなっています。 |
平成2、3年のバブルまっ盛りの頃、関東地区だけでも20~30コースあった億カンが現在は皆無で、此れらのコースは当時の相場の5-10%程度迄値を下げているが、名変料などの入会間接費用は当時の金額から下げているところは有りません。 |
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素朴に疑問に思う事は、間接費用が今のように高止まりして此のまま状況が好転するのを待つだけで良いのだろうかと言う事です。勿論、ゴルフ場側にも言い分はあるでしょうが、メンバーがあってこそのゴルフ場であるならメンバーが不満に感じている事は真摯に受けとめる必要があるはずです。 |
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或る資料によると、昭和30年代に開場したゴルフ場の場合、メンバーの平均年令が68才で会員のうち4%強の物故会員がいて会員権が滞留しているケースがあります。4%と言う数字は、平均的なゴルフ場の一年間の名変件数とほぼ同じです。 |
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本来なら此れらの会員権は相続で家族に名変されるか市場で流通してメンバーの新旧交代が行なわれるはずであるが、相続人が手離す事を躊躇う位に相場が下がっています。 |
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物故となったメンバーの会員権であるが、会員権を購入した方にすれば老後に備えての貯えの一部とも考えて今の状況になるとは考えてなかったのではなかろうか。会員権を購入した方の当事者責任と言うだけで割り切れる訳ではありません。 |
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もしゴルフ場側が相場の事は市場の責任であって自分達は関知しておらず、従って現在の相場でも入会の間接費用が適正であると思っているなら問題だ。此れ迄名儀書換料を何十万何百万と設定出来たのは、会員権が市場で流通し、換金性があってそれなりの価格がつけられ、その事が資産としての評価の裏づけになった事が大きな要因であった事を否定する事は出来ません。 |
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相場が下落した事は市場の責任で、高止まりした名変料などの間接費用はそのままでは新らたにメンバーになろうと思う人の購入意欲をそぎ、此れ迄メンバーであった人だけが痛みを感じる事になります。退会していく方に会員権をもっていて良かったと思って戴ければ、それはいづれゴルフ場に還元される事になります。 |
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ゴルフ場は、会員権を購入してメンバーになろうとする方に対してもっと垣根を低くして時代に見合う対応をするべきではないでしょうか。 |
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流通を円滑にする事は市場で滞留している会員権が新らしいメンバーに替わり、アクティブなメンバーが増えビジターの集客も容易になります。 |
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現在、一流と評価されるコースであっても、来場するプレイヤーのうちメンバーの稼働率が40%を越えるコースは少なく、経営的には60%以上のビジターの売り上げに大きく依存しなければ経営が成り立たないのが実情です。 |
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口ではメンバー様と言いながら実体はメンバー泣かせでは、一部のコースを除いて会員権の適正な評価は立ちゆかず結果としてゴルフ場にしても良い影響はありません。 |
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又、此れ迄の事例からして、メンバーシップの倶楽部を営利企業が何十ヶ所も運営してメンバーの信頼を得る事はとても難しく、そのような運営はパブリックコースの方が向いているはずです。メンバーシップを旗印にして会員権本体の価格と比べびっくりするような高額な名変料をとって年会費を戴いて、それにふさわしいサービスをしているか考えなければなりません。 |
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関東のエリアの中でも、実際に会員権の相場が成立していないゴルフ場が30%程度あります。又、会員権の価格の何倍もの名変料が必要と言うシステムが永続するとは考えられません。 |
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会員権の流通をスムースにして倶楽部の活性化を図るには、名変料を実費程度としてメンバーの若変えりを期し、名変料の減収分の補填は現在の受益者であるメンバーに対して十分なサービスを提供した上で年会費とビジターの集客で対応する事、クラブハウス他、施設の有効利用や従業員の活用を図る事が必要ではないでしょうか。 |
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又、メンバー自身もゴルフ場に入会する時に金銭を供出して事足れりと考えず、もっと積極的に倶楽部運営に参加して「私の倶楽部」の認識を強くする事が大事なのではないでしょうか。 |
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ゴルフ倶楽部のメンバーは、経営者、管理職、自営業などの経営感覚に優れて一般的に社会的なポジションも高い方が多くいらっしゃいます。そんなメンバーである方達がより充実したメンバーによるメンバーの為の倶楽部を創るには、正当な権利の主張をし、応分の義務とその責任を負担すれば今迄以上に会員権の評価を高め、結果としてゴルフ場の運営に貢献しメンバーの会員権の評価増に必ずつながります。 |
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私達も、業務を通してそんな豊かなゴルフライフをゴルファーの皆様が過ごすお手伝いをさせて戴ければ最高の喜びだと思っています。 |