最近の会員権の相場の傾向として、会員権の価格が入会間接費用(名儀書換料、入会預託金など)を下回ると
一気に市場に売りが増えて相場を下げ、買いが少なくなると云う下げの循環に入る事が多くなっています。
特に以前億カンと云われた30ヶ所余のゴルフ場の場合、会員権本体の価格が当時の50分の1、100分の1に
なっており、入会間接費用はそのほとんどのコースでその時のまま高止まりしている状態です。
1億円の相場で500万円の入会間接費用は本体価格の20分の1ですが、
その会員権が200万円の価格になっての500万円は本体価格の2.5倍でバランスが良くないし、
資産として考えた場合でも新たな入会希望者からしても納得しにくいのではないでしょうか
東松山カントリークラブが今年1月から名儀書換料を210万円(税込み)から105万円にして
特別預託金を100万円から50万円に値下げしました。
ゴルフ場の話では、此れ迄10ヶ月余で200件近くの名儀書き換えがあったとの事です
入会条件についても、1年半程前に変更して「正会員在籍5年以上2名の推薦」と「JGA加盟ゴルフ場在籍」の
条件を廃止し、同伴プレーと資格審査委員会の面接に重点を置いた審査システムにしました。
此れらの一連の変更によってメンバーとして来場数の低いスリーピングメンバーから来場回数の多い
年齢的にも若替わりをしたアクティブメンバーが増え、クラブとしての活性化も図れたとの事です
会員権の流通を業とする立場からすれば、出来るなら現状のトータル150万円の間接費用もその3分の1位にして、
10万円であった会員権価格が90万円になったように、間接費用を下げれば150万~200万円程度の相場も
十分期待出来、なおかつメンバーの平均年令の若返りとクラブの活性化が一段と進むはずです。
又、その事で当座は予約などについても若干の支障などが出るかもしれませんが、
クラブの健全な運営と云う意味で考えれば必要で良い事ではないでしょうか。
年会費も平成21年度からそれ迄の37,800円(正会員)を75,600円にしており、年会費は値上げして名儀書換料、
特別預託金は高止まりのままではメンバーの納得を得る事は難しいはずです。
ゴルフ場の営業努力不足と思われるのも仕方ないのではないでしょうか
東松山カントリークラブの事例は全てのゴルフ場に通用するものではないでしょうが、低迷している会員権の市場で
久々の明るい話題ですそれは市場に買い手がいないのではなく、潜在需要は有るが
入会希望者の納得出来る条件が出れば市場が動く証明であるからです。
入会して30年40年過ぎて自分がゴルフライフの殆どを過ごした会員権を手離さなければならなくなった
メンバーに対しても、それなりの価格がついて、退会するメンバーから会員権を持っていて良かったと
思って貰えてこそのメンバーなのではないでしょうか。
又、メンバーであった方が来場した場合には多少の料金の割り引きなど気持ちの部分でも
サービスをさせて戴くような気配りも有ると良いと思います
by J万治郎