日本における会員制ゴルフ場で、会員に発行する証券の種類は
大きく分けて「株主制」と「預託金制」になります。
ただし最近では、株主権・預託金返還請求権もない「プレー会員権」もあります。
ゴルフ会員権をご購入する際には、「立地条件」「コースレイアウト」
「経営安心度」と「予算」が大きなポイントになると思います。
まずは、「予算」があり、そこから自宅からの「アクセス」を
考慮していろいろとコースを検索して、気になるコースがいくつかあれば、
「コースレイアウト」などをチェックして選定していきます。
もちろん、お仕事上のお付き合いやお仲間から誘われた、一度プレーを
して非常に気に入ったなど、入会理由によって順序が変わることもあると
思います。
バブルがはじけてから倒産(会社更生法・民事再生法など)をしたコース
のほとんどが預託金制コースです。会員から預託金を預かることを条件に
会員としての資格が与えられ、優先的に施設を利用することが可能になります。
周知の通り、バブル崩壊とともにゴルフ会員権相場は急激な下落にともない
高額で募集した預託金を下回る相場になり、返金ができずに法的申請をすると
いうコースが相次ぎました。
今年に入ってからの関東圏での法的申請は、千葉国際CC・伊勢原CC・大秦野CC
スカイウェイCC・ヴィンテージGC位で件数自体は減っています。
そんな中で、法的申請後に引き継いだ企業が転売をして経営が交代するケースも
目立ち始めています。
最近では、
那須ハイランドGC リゾートソリューション(三井不動産系)→コナミ㈱
裾野CC 森インベスト→リゾートソリューション
かさまフォレストGC エムアイゴルフ(三井不動産系)→ゴルフ5(アルペン系)
サニーフィールドGC エムアイゴルフ(三井不動産系)→ゴルフ5(アルペン系)
オークビレッヂGC エムアイゴルフ(三井不動産系)→ゴルフ5(アルペン系)
と経営が変わっています。
上記ケースはいずれも誰もが知る企業で、当該会員さんもそれほどの心配はして
いないと思いますが、経営手法が変わったりしないのか?今まで通りのクラブライフを
楽しめるのか?といった不安は多少なりともあるのではないかと思います。
またこうやって経営が変わると、また次にどこに転売されるのかという不安もあると
思います。
ここで冒頭に戻り、「経営の安心度」とはなんなのか?
今時、上場企業の合併・統合や、不採算事業の切り離しなどさほど
驚くニュースではなくなってきています。
このゴルフ場の母体はどこどこだから安心とは決して言えないと思います。
実際に過去に法的申請をした預託金制コースのメンバーはほとんどのケースが
寝耳に水で突然のことだったと思います。
そこで株主制コースとの大きな違いがあると言えます。
株主制コースの場合は会員が経営会社の株主となり、その会員が保有する株式が
大多数をしめていれば安心といえるでしょう。よほど年間の収支が悪く赤字続きで
あれば決算の報告で会員はそれを知りうることもできます。
そういった経営の透明性は非常に高まり、コースへの関心も高まると思います。
じゃ株主制のコースを購入すればという話になりますが、たいていは昭和30年位
からの老舗名門コースで、「予算」が大きな障害になります。
長くなりましたが、預託金制もしくはプレー会員権のコースが悪いというわけではなく
やはり購入者からすると、入会時の名義書換料があまりにも高すぎるのではないかと
考えます。名義書換料は入会すれば絶対に帰ってこないお金です。
晴れて会員になった後に、コースの経営が都合で変わりました、もしくは不採算で
閉鎖しますなどと一方的に言われても何も言えない。
高額の名義書換料を払わせるのであれば、現在の経営状況・株主構成などを開示して
入会者に納得してもらう努力も必要だと思います。
ゴルフ場の経営は非常に大変だとは思いますが、どれだけ会員のことを考えているのか!
そこにつきると思います。
Mrスライス