街の再開発は反時計回りで進むことが多いそうです。例えば新宿の場合ですが、西口の高島ビル街が一息ついて今は南口のJRビルの建設が真っ盛りです。その後、新宿3丁目伊勢丹の周辺から次は歌舞伎町へとほぼ10年単位で再開発されているようです。
ビルの耐用年数が新築してから50年程と言われていますから、そう言われてみると新宿では10年単位で随分街が変わっています。
当社が昭和51年に新宿3丁目で創業して40年になりますが高野裏の新宿中央口から明治通りまでの中央通り(約300m位)の商店街でも此の40年の間に殆どのお店が商売変え、オーナーチェンジなどして当時から続いて営業しているのは3〜4軒(20軒以上有った)です。中央通の駅側入口には東洋信託銀行と東海銀行の新宿支店が有りましたが、今はそれぞれファッションビルとスポーツ系のお店に変わっています。
時代が変わって2代も3代も続いたお商売を続ける事が難しくなって、それ程儲からないお商売を無理に続けるよりもお店を閉めてビルのオーナーとしてテナントからの家賃収入を得るほうが割が良いと町内会の何軒ものビルのオーナーの方から聞きました。借金の無い優良企業でも3丁目の目抜き通りに有れば相続などでじょうずに対策を考えないと大変な苦労を背負い込むことになります。先代からの代々続く家業を続けるには一時の稼ぎより地道に長く続ける事が必要ですが、なかなか思うようにはいかないようです。
街の再開発で新しいビルが出来て流行の店が入って街は元気になりますが、その間にたくさんの人間模様とそれに係わる人の想いが有る事を感じます。
By 万次郎