20年程前であったが、5年間程磯子カンツリークラブのメンバーで有った事があります。
桜の美しく咲く時期と旨い中華を食べたい時に、元ゴルフ雑誌の編集長で今は亡くなられた田野辺氏を誘って良く通っていました。
田野辺氏もこのゴルフ場は昭和35年に開場する以前のコースの造成の頃から雑誌の仕事の関係で度々通っていたとの事で、その頃の思い出話も行き帰りの車の中で聞かせて戴きました。
コースは丘陵で、春夏秋冬、数多くの花木類が四季折々に楽しめ、距離はそれ程長くはないけれど、私にはほど良く居心地の良いクラブで、働いている方達も皆さん素朴でフレンドリーな方達でした。
最近のゴルフ会員権の市場では、この磯子カンツリークラブの評価が群を抜いて高く、神奈川県でも一、二を競っています。
ゴルフ場のコースだけの評価であればいろいろな評価もあるでしょうが、神奈川県には他にも幾つもそれなりのゴルフ場のある中で、どうして磯子なのかとお客様からも聞かれる事があります。
ゴルフ場自体の地形は、もともとが円海山で海抜125m位の低い山できつい起伏がありましたが、開場してからほぼ半世紀の間コースの改造を続けて、オープン時から見ると違うゴルフ場と思える程変わって良くなったとプレーヤーの評価は高くなっています。
ゴルフ会員権の相場が決まる要因の主な条件は、コースのヤーデージがある事、フェアウェイが広い事、アップダウンが少ない事、立木や池バンカーなどのハザードが適正にそれなりにある事やクラブハウスの良し悪しなどがハード面での評価の主なポイントで、ソフト面では人的なサービス、入退会条件の難易度、名義書換料や入会預託金が会員権の相場に見合うものか否か、年会費の額、メンバーの構成、経営状況で評価されています。
そういう中での現在の磯子カンツリークラブの市場での評価の高さの一番の理由は、創業以来現在までの経営陣の努力の賜物ではないでしょうか。
他ではバブル崩壊後もその栄光を忘れられず、一流コースなら名義書換料は地域一番、年会費も一番、入会預託金も戴いて当然、入会条件は非公開で入れてやるんだという態度がアリアリ、というのが名門コースであると勘違いをしている残念な自称名門コースがあります。
磯子カンツリークラブの入会条件は、年齢が30歳以上であること、紹介者は理事1名と正会員1名で、後は規定の会員名義変更依頼書を提出し、毎月一回行われる理事会で審査を受ける事になっていますが、特別に難しい入会条件も無くて、普通の社会人であれば申し込みをして入会を認められないという事はまずないと考えて良いようです。
名義書換料は200万円、入会預託金(退会時返還される)500万円、年会費は12,000円である。これで特筆されるのは年会費の安さです。
現在は磯子クラスのクラブの年会費は8万から10万程度が平均になっている中での12,000円は首をかしげる位安いです。
ゴルフ場がオープンして30年程経過すると、どのコースでもアクティブなメンバーが1/3、年に数回来場してプレーするメンバーが1/3、スリーピングメンバーが1/3のメンバー構成になっている事が多い中で、市場に売り物として出てくる会員権は殆どがスリーピングメンバーのもので、私達が処分なさるお客様に伺うと、その理由は高齢になってプレーも以前程出来なくなり、そのわりに使わない会員権の年会費の負担が重くなってきた為、とおっしゃる事が多いです。この事はこれから先も続く現象です。
利用しているメンバーには何でもない年会費でも、利用せず高齢や病気で使えなくなった方達については負担に感じるような高額な年会費については、クラブ側でもその救済措置を真剣に考えても良いのではないでしょうか。
今回は磯子カンツリークラブの例ですが、どんなゴルフクラブもメンバーとクラブは互恵の関係です。片方だけが一方的に得をし続ける関係はないはずです。
これからも磯子カンツリークラブの健闘を応援したいと思います。
by.万治郎