ゴルフ業界における2015年問題
ゴルファーの中で最も多いとされる世代が現在65~68歳くらいの団塊世代ですが、この人たちの大半が近いうちに現役をリタイヤするようになる「業界2015年問題」と言われています。このため、都道府県の各地の自治体はゴルファーの確保のため、利用税の軽減措置などをしており、東京都の場合も、65歳以上70歳未満で(何故70歳未満限定かは良く理解できませんが)一定の要件に該当する場合は利用税率を2分の1にする措置があります。65歳以上のゴルファーの人口はしばらくは着実に増え続けるはずで、早急にこの世代のゴルフ離れを防いでプレー回数の増加を考え活性化を配慮しなければなりません。
平成26年12月の経済産業省の「特定サービス産業動態統計」では、12月速報分を含み1年間の関東地区を中心にした8都道府県のデータを発表しています。ゴルフコースの利用者数は前年比の0.5%減、売上高は同じく0.8%減で3年ぶりに若干のマイナスでした。また、利用者の内訳はメンバーが1.5%減、ビジターはほとんど統計上では増減なしでした。ゴルフコース全体の売上高は利用料金、キャディフィ、食堂などの数字はほぼ変わらず客単価は9,912円でした。この資料を見ると、客単価は下がる傾向ながらもビジターを中心にゴルフ自体を楽しむことを目的としたプレーニーズが強いことがわかります。
ゴルフ業界に求められる要望とユーザーニーズ
JGGA(日本ゴルフ用品協会)で最近、一般ゴルファーを対象にしたアンケート調査によれば「将来に思い描く理想のゴルフ」をテーマにして、ゴルフ場に望む改革の回答は、ゴルフコースのメンテナンスやプレー環境の充実が最優先で、プレー料金の値下げ希望はその次でした。プレーニーズを見極めたサービスを提供することが必要です。また、別の調査ではプレー代が高い、用具が高い、所得が増えないなどでゴルフから遠のくケースもあります。
現在もゴルフのプレー需要は旺盛ですが、大衆ゴルフコースの低料金化はこれからも必須です。また、ゴルフ会員権相場の価格上昇にはゴルフ市場での活発な取引が前提で、そのためには改めて買い手のゴルフ会員権を購入する際の負担を軽くするべきで、名変料や入会預託金の廃止、または値下げは当然でメンバーになるメリットを増やすことが大切です。ゴルフ市場の活性化はゴルフ会員権業界の喫緊の課題であると同時にゴルフに関わる業界全体の共有しなければならない問題です。
by 万次郎